和田礼治郎 新規収蔵作品展示
和田礼治郎《AMBER WINDOW (HIROSAKI)》2022年
展示風景 撮影:木奥惠三
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和田礼治郎の新作《AMBER WINDOW (HIROSAKI)》を長期展示作品として公開しています。美術館の建築に合わせて制作された本作は、三上雅通(弘前れんが倉庫美術館 館長)が寄贈し、新規収蔵作品に加わりました。現在、展覧会「大巻伸嗣—地平線のゆくえ」[会期:2023年4月15日(土)−10月9日(月・祝)]の展示室内で鑑賞いただけます。
※本作の鑑賞には観覧券が必要です。作品について
作家名:和田礼治郎
作品タイトル:AMBER WINDOW (HIROSAKI)
制作年:2022年
素材:アップルブランデー、強化合わせガラス、真鍮、ステンレス鋼二階のホワイエスペースの窓にあわせて制作された本作は、かつて日本酒やシードルの酒造工場であった美術館の建築と強く結びつく彫刻作品です。和田は、過去の作例においても果物を素材として取り入れ、時間や自然、生の儚さにアプローチしてきました。本作でも、りんごの蒸留酒であるアップルブランデーが用いられています。ガラスパネルに閉じ込められた空気やブランデーの状態は、外気の温度や湿度の変化によって絶えず移ろいます。さらに、ガラスに水圧がかかることによるレンズ効果と光の屈折によって、窓の外の風景は変貌をとげ、日常の景色に崇高性がもたらされるかのようです。
窓の外を琥珀色に変容させるブランデーが作り出す水平線は、人間の限界を示唆すると同時に、永遠性や無限の象徴という、相反する意味を持つ存在でもあります。
プロフィール
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Photo: Enric Duch
和田礼治郎
1977年、広島県生まれ、ベルリン在住。形態、時間、液体、自然、生の儚さを暗示する「ヴァニタス(虚栄)」という古来の主題などの諸要素への関心を、独自の手法で彫刻化していく。それは時には自然そのものを用いて環境に直接的に働きかけ、多次元的な、生きる彫刻として私たちが生きる空間や時間に介入し、我々の知覚に作用を及ぼす。2021年度 春夏プログラム「りんご宇宙 — Apple Cycle / Cosmic Seed」(弘前れんが倉庫美術館)参加作家。