私の芸術が生まれた場所—いきおいをつけて漕ぎ続けると大きな橋を上り切る。その真下には線路がある。後は惰性でときどきブレーキをかけながら下る。下りは一瞬の出来事。そこから大きな道路を走り続ける。しばらくすると畑が見えて、大きな道路は緩いカーブに入る。そのカーブに入る前の信号を右折。その道もしばらく進むと緩いカーブになる。その先には川を跨いだ橋があり、すこし登って左折すると川沿いの小さなジャリ道がある。そこからは自転車を押して歩く。何本かの木を通り過ぎると、右手前に茂みに覆われたゲートボール場が見えてくる。そこが芸術の場所である。
2020年6月1日(月) - 9月22日(火)
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開館記念展「Thank You Memory —醸造から創造へ—」で公開されている《私の芸術が生まれた場所》と題した展示では、代表作のほか幼少期から学生時代に制作した作品も一堂に集め、自身の作品を振り返りながら改めて弘前で過ごした日々の記憶を追想します。
プロフィール
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潘逸舟
1987年、中国 / 上海生まれ、東京都在住。 社会と個の関係の中で生じる疑問や戸惑いを、自らの身体や身の回りの日用品を用いて、映像、インスタレーション、写真、絵画など様々なメディアを駆使しながら、真摯に、時にユーモアを交えながら表現する。